お酒の販売免許の取得方法

最終更新日:2024年8月29日   行政書士 勝山 兼年





酒類を販売するには免許を取得しなければなりません!

 酒類の販売業を営もうとする場合、酒税法の規定に基づき、販売場ごとにその所在地の所轄税務署で、酒類販売業免許を取得する必要があります。
 酒類販売業免許は仕入・販売先やその方法、扱う酒類の品目によって免許が細分化されております。それぞれの免許に応じた要件を満たさなければ免許は付与されず、酒類の販売が開始できないのです。







申請先は確定申告の税務署とは限らない。

免許の申請先税務署

 酒類販売業免許の申請先は販売場すなわちお酒を店頭で販売、または、受発注を受けつける事務所の所在地を管轄する税務署です。会社の本店所在地を管轄する税務署ではありません。

酒類販売場とは

 酒類販売においての受注、発注を行う場所です。酒類を保管するしないには関わりません。他の事業体と明確に区分されている必要があり、販売場には帳簿を備え付ける義務があります。また、酒類を保管するだけの場所を蔵置所といいます。

免許を審査するのは?事前相談はどこでするの?

酒類指導官設置の税務署

  酒類販売業免許を取得をしようと、事業所管轄の税務署に出向いても、詳しく相談できる担当者は常駐していません。個別具体的な質問をしたい場合は、酒類指導官設置の税務署に出向き、所轄税務署を担当する指導官とすることをお勧めします。申請書等の記載方法や提出書類の確認などは直接に審査をする担当官に事前にしておくことが、その後の審査をスムーズ進めることにつながるのです。酒類販売業免許の申請自体はは事業所管轄の税務署にすることになりますが、審査中に追加書類の提出や指導を受けるのは酒類指導官設置の税務署とになります。免許の交付式はやはり、事業所管轄の税務署で行われ、担当指導官が出張して立ち会ってくれます。



酒類販売業免許通知書



免許を取得するには具体的にどうすればいいの?

免許の取得の手順

免許の取得までの流れ

STEP1

税務署での事前相談

 酒類指導官設置税務署にて事前相談をし、要件の確認や提出書類などについて指導を受けます。

STEP2

酒類販売管理研修の受講

 管理者になる方、酒類販売の経験のない会社では役員の方も受講します。


STEP3

書類の収集・作成

 書類の作成・収集を経て、申請者が署名押印します。

申請書類一覧

STEP4

税務署への申請

 所在地管轄の税務署にて申請します。申請書のコピーを同時に提出し、申請受付印をもらって控えにしておきましょう。(二ヶ月ほどの審査期間中、税務署より追加の資料提出などに対応しなければなりません。)。

STEP5

免許通知書の交付

 税務署より免許交付の通知がありましたら、申請者は税務署に出向き交付式に望みます。その際、酒類販売管理者の届出と登録免許税を納付していただきます。免許が交付されましたらお酒の販売開始となります。

酒類販売管理者の届出

STEP6

酒類販売の開始

 免許交付後も帳簿の記載義務や各種関係法令に基づいた順守事項を守り、営業を行ってください。

免許交付後の解説

免許に要する期間と提出書類、費用など

免許交付までの審査期間

 税務署での申請後、審査期間は概ね2か月です。しかし、審査に必要な書類が足りない場合は、申請が受理されていたとしても、その書類が揃うまで実質的な審査は進まず、審査の期間が延びることを余儀なくされます。申請には十分な書類が揃ってから申請するほうが、免許交付までの期間を早めることにつながるのです。


酒類販売業免許取得のための提出書類(一般酒類小売業免許)

 提出書類には申請書、次葉の1から6の他、申請者に係るもの、販売場に係るものがあります。

  • 酒類販売業免許申請書
  • 次葉1.販売場の敷地の状況
  • 次葉2.建物等の配置図
  • 次葉3.事業の概要
  • 次葉4.収支の見込み
  • 次葉5.所要資金の額及び調達方法
  • 次葉6.「酒類の販売管理の方法」に関する取り組み計画書
  • 法人役員全員の履歴書、または申請者個人の履歴書
  • 法人登記事項証明書
  • 法人現行定款
  • 最終事業年度以前3事業年度の財務諸表
  • 都道府県及び市区町村が発行する納税証明書
  • 土地及び建物の登記事項証明書
  • 建物賃貸借契約書(適宜使用承諾書)
  • 酒類販売業免許申請書チェック表
  • 所要資金を証明するもの(残高証明書等)
  • 登録免許税の領収証書提出書
  • 酒類販売管理者選任届出書

登録免許税などの費用

 免許取得に必要な官公署発行の証明書類には手数料がかかります。また、免許交付の際には登録免許税をお納めなければなりません。


販売の内容によって免許の種類が異なる!

取得できる免許の種類

 酒類販売業免許では販売方法や扱う品目、国産酒か外国産酒かで付与される免許の種類が異なります。

酒類販売業免許 酒類小売業免許 一般酒類小売業免許
通信販売酒類小売業免許
特殊酒類小売業免許
期限付酒類小売業免許
酒類卸売業免許 全酒類卸売業免許
ビール卸売業免許
洋酒卸売業免許
輸出入酒類卸売業免許
店頭販売酒類卸売業免許
協同組合間酒類卸売業免許
自己商標酒類卸売業免許
特殊酒類卸売業免許
その他販売業免許 酒類販売代理業免許
酒類販売媒介業免許





要件を満たさないと免許は付与されません!

免許取得のための要件

 酒類販売業免許を取得するためには下記要件がございます。

  • 人的要件
  • 場所的要件
  • 経営基礎要件
  • 需給要件



 上記要件を満たしていなければ、免許の交付を受けられません。また、要件は免許の種類によても異なります。販売場の場所や販売経験を問われたり、取引先が確保されているかも要件に含まれるのです。事前に要件が満たせるのか、また、要件を満たしていることを客観的に証明できるのかを十分理解したうえで申請することになります。



具体的な状況別の免許取得方法

 実際の免許取得では様々な状況により、免許取得要件を満たしていることの証明が困難なことがあります。しかし、個々の状況を客観的かつ具体的に証明することで免許取得が認められることがございます。


既存法人での免許取得

 法人が免許を取得するための確認事項とは?新規設立法人の場合と比べて、いくつかの追加の要件や注意点があります。決算内容や納税状況、定款事業目的など法人にかかわるものや、販売場建物の使用権原にかかわるものなどです。



設立間もない会社での免許取得

 決算を一度も迎えていない新設法人でも酒類販売業免許の取得は可能です。既存法人に比べ審査が厳しくなることが多いです。事業計画表など合理的で矛盾のない書類を作成し提出しなければなりません。


個人経営から法人設立での免許取得

 個人での免許から法人へ移行する場合の免許取得する方法。酒類免許は個人から法人へ引き継ぐことはできません。法人として新規で免許申請しることになりますが、適切な内容で申請すれば販売場が同じであっても個人免許の営業を一日も休業することなく申請・免許交付を受けることは可能です。


個人経営の免許の相続

 個人経営の免許業者が亡くなった後の免許を引き継ぐ方法。いくつかの条件と手続きが必要となりますが原則として相続が可能です。管轄の税務署に「酒類販売業相続申告書」を提出します。審査の間もそれまでの免許で営業することができます。尚、相続人が複数の場合は全員の承諾が必要です。



販売場の条件

 自宅やレンタルオフィッスでの免許取得。設備や区画など物理的な要件と使用権原などの疎明、飲食店との併用でないことの証明などが求められます。


会社の決算内容について

 赤字会社での免許取得。3期連続の資本金の20%をこえる赤字でないこと。資本金を超える学の累積赤字がないこと。これらをクリアできていなければ、財務基盤が脆弱で支払能力も低く、酒類を安定的に販売することが望めないとして免許は交付されません。



免許取得手続き代行

 勝山兼年行政書士事務所では、依頼者様に成り代わって、税務署での免許申請手続きを代行させていただきます。  弊所にご依頼いただければ書類作成・収集、税務署での申請、免許交付後に必要な手続きのサポートを致します。免許交付式まで依頼者様が税務署に出向く必要は一切ございません。


  


免許取得代行のながれ



まとめポイント
  • 申請先は販売場住所を管轄する税務署 。
  • 免許の取得相談は酒類指導官にする。
  • 免許の申請には決められた証明書類の他、適宜必要な書類の提出を求められる。
  • 免許取得時に登録免許税を収めなくてはならない。




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