酒類販売業免許項目変更の異動申告手続き
最終更新日:2024年9月1日 行政書士 勝山 兼年
免許項目に変更があれば異動申告書の提出が必要です
現に付与されている酒類販売業免許において、酒類販売業者の住所、氏名又は名称等の変更があった場合直ちに管轄税務署に異動申告書を提出しなければなりません。 酒類販売業免許をもっている会社を買い取って、販売場を移転する場合はまず、代表取締役の変更や商号の変更などについての異動申告しなければなりません。そのうえで移転許可申請をすることになるのです。
異動申告とは
免許通知書の項目に変更があった場合にする手続きです。変更があってから直ちに申告しなければなりません。
異動申告の必要な項目
- 酒類販売業者(個人)の住所
- 酒類販売業者(個人)の氏名
- 酒類販売業者(法人)の本店所在地
- 酒類販売業者(法人)の役員や支配人の入れ替え
- 酒類販売業者(法人)の組織変更(有限会社から株式会社へなど)
- 販売場の名称(販売場の屋号)
- 販売場の名称(通販用サイト名)
- 同じ建物内での販売場の移転
※別の建物に販売場が移転した場合は、「異動申告」ではなく「販売場の移転許可申請」となります。
※ 異動事項があったら、法人税の異動申告とは別にお手続きが必要になる旨です。法人税の異動申告をしたからといって、自動的にお酒の免許の異動事項が訂正される訳ではないので留意が必要です。
※個人から法人成りするときや法人が合併、分離、分割するときは事前申請が必要です。
異動申告が必要となる状況
- 本店所在地が変更
本店所在地と同じ住所の建物の販売場で酒類販売業免許を付与されていたが、本店所在地を別の住所に登記変更した場合は異動申告の届出のみで足ります。登記完了後、会社登記事項証明書を添付し速やかに手続きしてください。しかし、販売場も一緒に移転した場合は異動申告では足りず、販売場移転許可申請をする必要があります。
- 同一建物内での販売場の移動
2階建て建物の食品雑貨販売店において、それまで一階の一部のスペースで酒類の販売場を設けて酒類販売業免許を付与されていた場合。店舗全体のレイアウトの変更に伴い、2階に酒類の販売場を設けることになった、会計場所(レジ)はそれぞれの階にありましたので、販売場を2階にする異動申告の届出をすることになります。
- ネット販売のサイト名の変更
酒類を通信販売するインターネットサイトにおいて、サイトをリニューアルした場合は販売免許上の手続きはいりません。しかし、サイト名を変更した場合においては販売場の名称が変更したことになりますので、サイトのリニューアルを終えたら速やかに異動申告の届出をしてください。
異動申告をする事例
- 同じ建物内で販売場を移動した。
貿易業を営むS社は「輸出酒類卸売業免許」を持って酒類の輸出をしていました。売上は順調に増加し、スタッフの増員していたところ、販売所として使用している事務所が手狭になってきました。丁度、同じ建物の別の部屋が空いたので家主と掛け合い、そちらも賃借することとなりました。そして、酒類を含めた貿易業務は新しく借りた部屋で行うこととなりました。同じ建物内とのことでしたので移転許可申請をするのではなく、販売場の位置の判るフロア図面と共に異動申告書を管轄事務所に提出しておきました。
- 酒類販売業免許を持った会社をM&Aした。
大阪市内でECサイトに出店するなど、通信販売業を営むR社は、新たに酒類を取扱うことになりました。 R社で新規に酒類販売業免許を取得するのではなく、通信販売酒類小売業免許を持っている奈良県内の会社を買取、別会社で酒類販売を行う事としました。取締役の変更などの法務局での登記申請を済ませた。そして、奈良の税務署に商号変更と代表取締役の変更について異動申告書を提出しておきました。その後、販売場を大阪市内に移転するべく、再度、奈良の税務署に移転許可申請をしました。移転が許可されましたので酒類の通信販売を開始しました。
- 販売場建物の底地が合筆されていた。
町が所有する「道の駅」の建物内で酒造店を営む、U社は業務を拡大するため「条件緩和の申出」をすることになりました。申出書作成するにあたり所在地を記入する際に、免許を交付されたのちに建物の底地が合筆されていることに気付きました。合筆後の所在地で申出書を事務所に提出したところ、担当の酒類指導官化から連絡があり、所在地が変更されたことについて異動申告をすることを求められました。指導官の指示に従って異動申告書を提出したうえで、条件緩和の申出についての通知書が届きました。
- 異動申告は事後報告。
- 法人税の異動申告とは別にしないといけない。
- 販売場が同じ建物内の移動でしたら異動申告の申出。