一般酒類小売業免許の取得方法

最終更新日:2024年8月25日   行政書士 勝山 兼年





酒類を店頭小売するために必要な免許とは

 酒類を店頭で販売するには店舗ごとに一般酒類小売業免許が必要です。飲食店での酒類販売も可能ですが、酒類の販売と飲食スペースが物理的明確に区分されている必要があります。酒類を配達するのは認められますが都道府県境を越える場合は通信販売酒類小売業免許が必要となります。





お酒を小売販売したい!!

一般酒類小売業免許を取得するとは

 一般酒類小売業免許とは、販売場において、消費者又は酒場・料理店等の酒類を取扱う接客業者に対し、原則として、すべての品目の酒類を販売することができる最も一般的な酒類販売業免許をいいます。




  • 新規での酒屋さん開店
  • コンビニ、スーパーマーケット、ドラッグストアでのお酒の販売
  • 得意先からお酒を扱ってほしいと要望された
  • 弁当、ピザ、寿司のデリバリー専門店でお酒の販売
  • 貴金属買取ショップが高級酒を買い取って販売する
  • 特定のお酒を輸入して、飲食店などに販売

・・・上記の場合の方は、一般酒類小売業免許が必要です。


一般酒類小売業免許通知書

一般酒類小売業免許は販売場ごとに免許が必要!

 免許の交付を受けるのは販売場ごとにしなければなりません。コンビニエンスストアなどを店舗販売場を複数運営する会社では、会社で免許の交付を受ければどこででも販売できるわけではございません。店舗販売場ごとに免許の交付を受けることになるのです。なお、同じ建物内であればフロアが違っても一つの免許で営業可能です。


販売場とは

 販売場とは酒類と代金の受け渡しをする場所です。配達専門の販売場であれば注文を受付ける電話やFAXが設置している所を言います。免許交付を受けるためには販売場を定めなければなりません。モバイルを使って受発注する場合でも一か所販売場を確保してください。販売場を賃貸する場合は所有者より、酒類の販売場として建物を使用する事に対しての承諾書を貰わなければなりません。


一般酒類小売業免許取得が必要となった事例紹介

Ⅰ:貴金属の買い取りショップを経営するA社は、店舗が歓楽街に隣接しており、資金繰りに困った飲食店から高級酒の買取を依頼されることが多くなりました。また、買い取った酒類を同じく飲食店に販売できるニーズあると予想し、貴金属やブランド品と共に高級酒を販売することになりました。

Ⅱ: 高級な食材を使って洋風弁当の宅配を専門とするB社は、宅配先の客から弁当と一緒にワインなどの酒類も一緒に配達してほしいとのニーズを受け、酒類販売業免許を受けることにしました。




酒類販売管理者

 販売場ごとに酒類販売管理者を選任しなければなりません。選任された管理者は店舗の営業中いつも居ない方ではいけません。酒類の販売に関して他の従業員に指導する立場となります。


飲食店には販売できるが卸売りはできません

 レストランや居酒屋などの飲食店への販売は一般酒類小売業免許で可能です。しかし、一般酒類小売業免許業者への販売はできません。卸売免許でなければなりません。購入者が購入した酒類を他者に販売していることを知って販売を続けていれば、無免許販売の幇助とみなされますのでお気を付けください。


通信販売もできる

 一般酒類小売業免許でも2都道府県をまたがない範囲であれば、自社での配達に限らず宅配便などでの販売は可能です。通信販売酒類小売業免許である国産酒類の品目などの制限はございません。


 定期的に注文がある特定の販売先であったとしても、配達先が販売場から都道府県境を超える場合には通信販売酒類小売業免許の取扱になりますのでご注意ください。都道府県境をまたいで店頭に買いに来る客にはもちろん制限はありません。


一般酒類小売業免許取得の要件

経営の基礎

  • 国税、地方税を現に滞納していないこと。
  • 過去二年間に滞納処分を受けていないこと。
  • 直近の決算で資本金の額を超える累積の赤字がないこと。
  • 直近三期の決算の赤字が全ての期において2割以上あること。

販売場の要件

  • 申請者が申請販売場の使用権限があるか(建物が自己所有、賃貸の場合は建物所有者から販売場としての使用の承諾があること)
  • 酒類の販売場が居酒屋や料理店等と同一の場所でないこと(売場が明確に区分され、レジも別々)。
  • 20歳未満の者の飲酒防止の取り組みがなされていること。

販売方法の要件

  • 仕入れは酒類卸売業免許業者からなされていること 。
  • 販売先は料飲店、消費者に直接すること。他の免許業者に販売しないこと。
  • 2都道府県以上の消費者を対象とする通信販売する場合は、通信販売酒類小売業免許が必要。



経歴及び経営能力要件の客観的証明

 申請以前に酒類の販売及び製造の経験がない方の場合には「酒類販売管理者研修」を受講することで「十分な知識、経営能力及び販売能力を有する」とみなされます。


酒類販売管理者研修受講証

20歳未満の者の飲酒防止に関する取り組みとは

  • 販売の際に年齢確認を行う。
  • 未成年飲酒防止のポスターを掲示する。
  • 手渡しで販売する。
  • 酒類と他の商品を間仕切りなどで区分して陳列する。
  • 酒類の売場、陳列場所であることを表示する。
  • 酒類の陳列場所に「20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しない」旨の表示をする。

一般酒類小売業免許申請においての必要書類

 一般酒類小売業免許の申請には国税庁所定の申請書類書、販売場にかかわるもの、申請人にかかわるものに別れます。主な書類は以下の通りです。



国税庁所定の書類

  • 酒類販売業免許申請書
  • 販売場の敷地の状況
  • 建物等の配置図
  • 事業の概要
  • 収支の見込み
  • 所要資金の額及び調達方法
  • 「酒類の販売管理の方法」に関する取り組み計画書

販売場にかかわるもの

  • 土地及び建物の登記事項証明書
  • 建物賃貸借契約書(適宜使用承諾書)

申請人にかかわるもの

  • 履歴書(個人、法人役員全員)
  • 免許要件誓約書
  • 住民票(個人、法人(登記事項証明書)
  • 現行定款(法人)
  • 最終事業年度以前3事業年度の財務諸表(法人)
  • 所要資金の額及び調達方法
  • 都道府県及び市区町村が発行する納税証明書
  • 所要資金を証明するもの
  • 酒類販売管理研修受講証写し


一般酒類小売業免許の交付までに要する期間

 一般酒類小売業免許申請後の審査期間は概ね1ヶ月から2ヶ月です。申請案件ごと個別に審査されますので、不足の書類や申請内容に補正がある場合などは審査の期間は長くなります。また、申請までの書類の作成に三週間ほど要します。申請時の状況により証明書の発行→、法務局での登記変更、た販売場所有者からの書類の受け取りなどにもさらに時間がようすることも予想されます。


酒類販売管理者標識の掲示義務

 酒類小売業者は酒類販売において、酒類の適正な販売管理の確保を図るため販売場ごとに酒類販売管理者を選任しなければなりません。

 公衆の客の見やすい場所に、酒類販売管理者の氏名や酒類販売管理研修の受講等を記載した標識 を掲げなければなりません。



 コンビニやドラッグストアではレジの後ろなどの掲示されています。



飲食店との併設

 飲食店での酒類販売は認めらていません。レジが共通で飲食スペースと酒類の陳列スペースに仕切りがない場合は同一場所とみなされ免許の交付は受けられないでしょう。逆にこれら物理的な状況をクリアすれば飲食店との併設の酒類販売場として免許の交付が受けられます。


一般酒類小売業免許を取得するには具体的にどうすればいいの?

一般酒類小売業免許の取得の手順

 免許取得の申請先は酒類販売場住所地をを管轄する税務署です。審査は2ヶ月ほどで、審査が完了しましたら免許通知書が交付されます。通知日以降に営業ができます。

STEP1

税務署での事前相談

 酒類指導官設置税務署にて事前相談をし、要件の確認や提出書類などについて指導を受けます。

STEP2

書類の収集・作成

 書類の作成・収集を経て、申請者が署名押印します。

STEP3

税務署への申請

 所在地管轄の税務署にて申請します。申請書のコピーを同時に提出し、申請受付印をもらって控えにしておきましょう。(二ヶ月ほどの審査期間中、税務署より追加の資料提出などに対応しなければなりません。)。

STEP4

免許通知書の交付

 税務署より免許交付の通知がありましたら、申請者は税務署に出向き交付式に望みます。免許の通知の際に登録免許税を収めます。また、酒類販売管理者の選任届を提出してください。 必要であれば蔵置所設置報告書も提出してください。


STEP5

酒類販売の開始

 免許交付後も帳簿の記載義務や各種関係法令に基づいた順守事項を守り、営業を行ってください。

免許交付後の解説

税務署に何度も行かなければならないの!?

免許取得手続き代行

 勝山兼年行政書士事務所では、依頼者様に成り代わって、税務署での免許申請手続きを代行させていただきます。  弊所にご依頼いただければ書類作成・収集、税務署での申請、免許交付後に必要な手続きのサポートを致します。免許交付式まで依頼者様が税務署に出向く必要は一切ございません。


  


免許取得代行のながれ




まとめポイント
  • 店頭販売をしなくても配達専門でもよい。
  • 都道府県境を超えて販売してはならない。
  • 全品目の酒類を扱える。
  • 販売場ごとに一人の酒類販売管理者を選任しなくてはならない。



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