
テイクアウト専門店でお酒も売りたい
最終更新日:2025年2月23日 行政書士 勝山 兼年
テイクアウト専門店が酒類を販売するための要件!
免許交付の物理的要件
テイクアウト専門店でのお酒を販売するためには、酒税法に基づいた免許が必要となります。20歳未満の飲酒防止対策について、さらにはチラシやカタログへの記載内容について、具体的な事例を交えて解説します。
通常テイクアウト専門店は保健所で飲食店営業許可をとって営業しております。店内で客に飲食させる飲食店で酒類を提供するのは酒類販売にあらず、飲食店営業の許可でできる範囲です。しかし、テイクアウト専門店で酒を提供することは、酒を持ち帰ってしまうので、物販店舗で酒類販売することと同様となり、酒類小売業免許の取得が必須となるのです。酒類販売業免許は場所的要件により「酒又は料理店等と同一の場所ではないこととの規制があり、免許取得は容易ではありません。
酒税法第10条9号
「正当な理由なく取締り上不適当と認められる場所に販売場を設置する場合(酒類の製造場又は販売場、酒場、料理店等と同一の場所等)」
ただし、飲食店営業店であってもテイクアウト専用や配達のみをしているであれば、酒類販売業免許が認められる可能性があります。飲食店での酒類販売を認めないのは仕入れが飲食提供用と、小売販売用に区分することが困難であり、一部でも不当に低価で仕入れた酒類を提供する可能性があるためです。しかし、酒類及び飲食の提供をしないのであれば、酒類と区分する必要が無く、仕入れたものすべて持ち帰り用として管理できるために「取締り上不適当」とはいえなくなるからです。取得する免許の種類はコンビニエンスストアやスーパーマーケット同様に一般酒類小売業免許となります。免許取得の要件提出書類は一般酒類小売業免許とほぼ同様ですが、秦宇都宮公生を伊pp何
※飲食スペースのある飲食店で、宅配分だけ酒類の販売をする場合も認められないでしょう。
テイクアウト専門店の事例
- 持ち帰り専門の弁当店

メニュー・カタログの記載方法
料理のメニュー表に酒類の価格などを併記したものをもって、客の申し込みを受ける場合に記載方法について基準があります。
- 「20歳未満の者に対しては酒類は販売しない」旨の文言を記載する。
- 販売業者の名称、住所、電話番号を記載する。
- 酒類販売責任者の氏名を記載する。
- 酒類販売管理者標識を記載する。
- 酒類の価格を明瞭に表示する。
酒類のお受け渡しについて
代金を引き換えに酒類を渡す際には店舗屋においても20未満と思われる者に対して、身分証明書等で年齢の確認を行わなければなりません。

テイクアウトと配達どちらでも販売している店舗の場合の免許
テイクアウト専門店であれば調理した商品を持ち帰り用と配達して販売している店舗の場合でも、一般酒類小売業免許で対応でします。ただし、都道府県を超えて配達する場合は通信販売酒類小売業免許の取得が必要となります。しかし、通信販売酒類小売業免許では取扱える酒類に制限があり、大手メーカー製造の酒類は販売できませんので、通信販売酒類小売業免許を取得しても、あまり意味がないかもしれないのです。都道府県境の店舗では、他府県からの注文では酒類を販売を控えたほうが良いでしょう。
料理とともにテイクアウトで酒を配達するのは、あくまでも通信販売の概念です。2都道府県を超えずに配達するのあれば「通信販売酒類小売業免許」の取得が不要であっても、しかるに20歳未満の者の飲酒防止対策は十二分に講じなければなりません。
酒類販売業免許取得事例
- テイクアウト専門店での酒類販売免許
お持ち帰り専用の高級弁当販売を手掛けるKさんは、弁当と一緒に食してもらうワインと清酒の販売を計画しました。酒類販売業免許取得のために税務署に事前相談に行くと、20歳未満の飲酒防止対策を講じることができれば免許取得は可能とのことでした。税務署の指導により、メニュー表の酒類販売欄には「20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。」の文言を記載し、商品の受け渡しの際には年齢確認を徹底することで、一般酒類小売業免許の取得ができました。
- 飲食スペースのある店での酒類販売業免許は認められない。
- チラシ・カタログでの表示基準を遵守する。
- 酒類のお受け渡しの際の年齢確認を徹底する。