媒介業免許とは

コールセンター事業者やオークション運営者などが取得する免許

媒介業免許と代理業免許

　酒類販売業免許には主に製造免許と販売業免許があり、販売業免許にはさらに卸売業免許と小売業免許に別れています。媒介業免許と代理業免許はそれらとは別のカテゴリーで、直接販売はしないが注文を受け付けるだけの業者に交付されるものです。尚、販売受託業者が酒類を取扱う場合は、商品お受け渡し、代金の受け取りなどをするのであれな受託業者も酒類販売業者となり、代理業免許ではなく、酒類小売業免許を取得しなくてはなりません。

媒介業免許

　自社名では酒類の受注を受付けないなど、他者からの依頼を受けて酒類の受注業務を行うための免許です。営利目的の有無は問いません。受注業務をアウトソーシングするコールセンター事業者や酒蔵同士の桶買い、桶売りを斡旋する事業者など当てはまります。

国税庁ＨＰ一部抜粋

　「所法第９条《酒類の販売業免許》第1項に規定する「酒類の販売の媒介業」とは、他人間の酒類の売買取引を継続的に媒介（取引の相手方の紹介、意思の伝達又は取引内容の折衝等その取引成立のためにする補助行為をいう。）することをいい、営利を目的とするかどうかは問わない。」

媒介に該当しない例

　業務の実態が媒介業免許に該当するのか、小売・卸売販売業に該当するのかは当事者間の契約の内容によります。また、購入の意思を伝達するだけなのか、代金決済を行うのかで判断されます。税務署で申請の際には事前に酒類指導官と打合せをしておくことです。これは免許が不要かどうかも含めてです。

商品のＰＲだけを代行する業者

　商品の広告・宣伝をするだけで、商品の購入の意思伝達を行わない場合は「媒介」にはで該当しません。また、代金決済、商品発送もしないのであれば酒類販売業免許自体不要です。

ＥＣショッピングモールサイト運営者

　ヤフーショッピング、楽天やアマゾンなどが有名です。ＥＣショッピングモールサイト運営者は酒類販売業者に購入者を紹介したり、購入意思の伝達、取引の内容の伝達などをしていなければ「媒介」に該当しません。自社で代金決済などをするのであれば介業免許ではなく小売業免許を必要となります。

媒介業免許の要件

経験要件

　小売業免許のような酒類販売管理研修を受講すれば、経験ありと見なされるものではなく、実際に製造業、販売業に直接従事した事が問われます。

• 業務に直接従事した期間が１０年、または経営者として直接従事した期間が５年
• 過去に酒類媒介業を相当期間経営した
• 酒類の醸造技術の指導者を５年以上経験した

※法人の場合は取締役の一人が上記にあてはまることが必要です。

取扱能力要件

　取扱量が年間１００キロリットルの媒介を行うことを証明しなければなりません。具体的には酒類業者からの媒介依頼書を書いてもらうことです。媒介依頼書には数量を記載してもらいます。複数の酒類業者から媒介依頼書を取得、し合計で１００キロリットルにしなければなりません。 酒類販売業者間の媒介をする場合は購入側、販売側双方から媒介依頼書を取得することになります。
　審査をする酒類指導官は免許申請の際には媒介依頼書に記載の酒類業者の過去の実績を考慮します。数量等で実績の無い酒類業者の依頼書だけでは、継続して営業をする見込みがないと判断されることになります。実績のある複数の酒類事業者から媒介依頼書を取得することです。

• 年間１００キロリットル以上の酒類取引を行っている酒類販売業者からの販売媒介契約（依頼書）
• 複数の酒類販売業者か累計で年間１００キロリットル以上の販売媒介契約（依頼書）

設備要件

　年間１００キロリットル以上の取扱ができる事務所スペースや人員、電話、ＦＡＸ、パソコン等を有していること。