洋酒卸売業免許取得にかかる費用

最終更新日:2024年9月13日   行政書士 勝山 兼年





税務署に収まる登録免許税や行政書士への報酬、証明書の発行手数料について

 洋酒卸売業免許を取得する際に発生する費用について解説します。自身で免許申請する場合でも各種公的証明書類の発行手数料や免許交付時の登録免許税は必要です。また、何度の高い申請手続きですので、専門家行政書士に代理申請を依頼した場合はその報酬が発生するのです。

登録免許税

 洋酒卸売業免許は卸売業ですので9万円です。免許交付時に税務署から納付書を渡されますので金融機関にて手続きしてください。9万円は酒類販売業免許の登録免許税の上限ですので、将来他の免許を追加する条件緩和の申出をする際にも追加で登録免許税を納める必要はございません。



条件緩和登録免許税納付通知書

証明書の発行手数料

 免許申請者の状況を客観的に疎明するために、各種証明書を提出るすることになります。提出書類うち、公的機関で発行される証明書類については申請者に係るもの、販売場建物に係るものに別れます。

証明書名称 手数料 発行元
法人の商業登記事項証明書 600円 法務局
個人の住民票書 200円から 市町村役場
納税証明書 600円 大阪市(二項目)
800円 大阪府
土地建物の登記事項証明書 600円 法務局(一筆当たり)
大阪府納税証明書

代理申請の報酬

 勝山兼年行政書士事務所にご依頼頂けましたら、免許取得の可能性や、免許要件の判断、書類の収集、税務署での事前相談や窓口申請までを一括して行います。依頼者様は本業に専念頂き、免許交付を待つだけです。


  • 洋酒卸売業免許の申請:
    140,000円(税別)
  • 洋酒卸売業免許の条件緩和申請:
    90,000円(税別)


*登記簿謄本・納税証明書等を当事務所で取得代行する場合は別途実費を頂戴しております。

洋酒卸売業免許の事例

Ⅰ :カルフォルニアからワインを輸入し、酒店などに卸売りをしていたI社は、取引先の要望で別ブランドのカルフォルニアワインも扱うことになりました。

 I社はそのワインメーカーから直接輸入することも検討しましたが、見込みの扱い量がまだ少なく、既に別の日本の商社が輸入していましたので、日本に輸入されたものを仕入れることにいたしました。I社はそれまで輸出入酒類卸売業免許だけでしたので、国内仕入れとなりますので洋酒卸売業免許の申請をする事になりました。ただし、I社が免許を取って酒類の取り扱いを始めて2年半でした。

経歴及び経営能力要件

 酒類の製造業若しくは販売業(薬用酒だけの販売業を除く。)の業務に直接従事した期間が引き続き3年以上である者、調味食品等の販売業を3年以上継続して経営している者又はこれらの業務に従事した期間が相互に通算して3年以上である者


 上記要件を満たすため半年後に条件緩和申請を致しました。

 洋酒卸売業免許取得後のI社は、ワインに限らずビールなどを除く海外産酒類を国内仕入れをして販売量に伴う業績向上に至りました。


Ⅱ:インド・ネパール料理店などにスパイスやハーブ、小麦粉などを販売する食品商社J社は、一般酒類小売業免許をもって、料理店に酒類の販売もしておりました。この度、同業の商社(酒類免許なし)からJ社の扱う酒類の仕入れをしたい旨依頼がありました。

 J社が扱うビール以外のインド産のワインやウィスキー、ラム酒などを販売するにあたり、洋酒卸売業免許の取得をすることになりました。J社は3年以上の酒類の販売経験がありましたので、経営基礎要件の経験要件部分は問題ありません。先に、同業者が一般酒類小売業免許の交付を受けたのち、取引承諾書を書いてもらい条件緩和申請で洋酒卸売業免許が交付されました。


 洋酒卸売業免許の交付後、J社は直接、酒類をインドから輸入するようになりましたが、洋酒卸売業免許を取得済みですので輸出入酒類卸売業免許の取得せずにいました。


 その後、輸入したインド産ビールを卸売りする事になりましたので、その時点で輸出入酒類卸売業免許を取得し更なる業績向上に至りました。


Ⅲ:貴金属買取リサイクルショップを5店舗運営するG社は、運営する1店舗で通信販売免許をもって、全店舗が買い取った酒類の販売をしておりました。



 買取る酒は外国産のみで、国産の高級ウィスキーについては通信販売できないために買取りを断っておりました。同業他者で買い取った酒類をまとめて購入してくれる会社と取引することになりました。酒類免許業者に販売するには卸売業免許が必要ですが、G社での通信販売酒類小売業免許での実績が三年を経過しましたので「洋酒卸売業免許」の取得の要件を満たしておりました。免許の販売場は通信販売酒類小売業免許の販売場ではなく、卸売取引先に近い店舗にしました。


 洋酒卸売業免許には外国産と国産の区別はなく定められた品目を取扱えるため、免許の交付を受けたことで、それまで買取を断っていたサントリーの「響」、「山崎」やニッカの「竹鶴」なども買取って卸売りができるようになりました。




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