
輸出入酒類卸売業免の事例紹介
最終更新日:2023年5月21日
行政書士 勝山 兼年
Ⅲ:ロシアに生活雑貨や日用品を輸出しているZ社は、ロシアには無いソフトなアルコール飲料として梅酒が好まれるると知り、ニーズがあると予想し、輸出する事にしました。
酒類を仕入れる際に酒類販売業免許が必要で、海外への酒類の販売は輸出入酒類卸売業免許を取得しなければならないとの事でした。税務署で輸出入酒類卸売業免許を受けるに当たり、それまで酒類をを取り扱ったことがないZ社でしたが、輸出入などの貿易の実績は十分でしたので、経営基礎要件の「経歴及び経営能力等 申請者は、経験その他から 判断し、適正に酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力を有すると認められる者」を満たしているとの事でした。
免許交付申請の準備として、事業目的に「酒類の輸出入及び販売」との項目を追加した定款変更をして法務局での変更登記申請も致しました。その他、販売先であるロシアの商社及び、仕入れ先である日本の酒類卸売業者からの取引承諾書を取得しました。

また、Z社は酒類の販売場となる賃貸事務所建物は代表者が同じ人物である別会社が所有者と賃貸借契約書をしておりましたので、別会社から転貸借契約を結び、なおかつ所有者より販売場として使用することの建物使用承諾書を書いてもらいました。
申請後、審査のち免許が交付されました。取り扱いは輸出のみで、免許の種類は「輸出入酒類卸売業免許(輸出に限る))」となります。
酒類の物流は仕入れ先業者より、直接、港の通関業者倉庫に配達してもらうため、蔵置所の設置は致しませんでした。
将来は清酒やジャパニーズウィスキーなどニーズに応じて品目を拡大して行く計画です。

Ⅳ:加工食品を製造販売しているY社はアメリカにも輸出しております。アメリカの主要取引先が勧めてくれたカルフォルニアのワイナリーのワインが日本ではまだ販売されていないと知り、自社で輸入し取引先飲食店に販売することにしました。
自社が輸入し直接、消費者や飲食店に販売するのであれば、輸出入酒類卸売業免許ではなく一般酒類小売業免許で足りるとの事でした。
Z社はそれまで酒類の販売実績はありませんでしたので、担当役員と販売責任者スタッフが販売管理研修を受講することで、経営基礎要件の「経歴及び経営能力等 申請者は、経験その他から 判断し、適正に酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力を有すると認められる者」を満たすことができました。
事業目的に「酒類の輸出入及び販売」との項目を追加した定款変更をして法務局での変更登記申請も致しました。その他、販売先であるカルフォルニアのワイナリーからの取引承諾書を取得しました。 一般酒類小売業免許の申請でしたので、販売先からの取引承諾書は求められませんでした。
申請後、審査の後、一般酒類小売業免許が交付され、販売を開始することができました。それからは新規の販売先を開拓するべく、営業していましたが、Z社輸入のワインを取り扱いたい旨の飲食店は見つかりましたが、仕入れはそれまでの取引酒類卸業者にしたいとの要望でした。そこで、小売業者に卸売するために免許として、Z社は輸入の実績はありましたので輸出入酒類卸売業免許を取得することにしました。輸出入酒類卸売業免許を取得するための条件緩和申請を行い、審査ののち、免許が交付されました。
